受託PMの転職ノート(仮)

面接官をしたPMが見ていたこと:技術より先に、指示待ちかどうか

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スカウトはPMの求人ばかり届く。でも、小さい案件のPM経験を面接で何と言えばいいのか、正直わからない。面接官は結局どこを見ているのか、と思って検索した方も多いと思います。

私は43歳で、受託開発のPMをしています。案件の規模は100万〜5,000万円、チームは1〜10人です。今の職場はスタートアップで、私はPM・リーダーとして採用面接をする側にも座ってきました。

そのとき私が見ていたのは、技術ではありませんでした。まず話がちゃんと通じるか。そして、言われたことしかしない人なのか、自分から動ける人なのか。見ていたのは、ほぼこの2つです。

ただ、その2つでさえ、面談の場で見抜けなかったことがあります。面談では職業訓練でリーダーをして引っ張っていたと話していた人が、入社してみると指示待ちだった。

では、面接される側に回ったPMは、何を話せば「この人は自分から動ける」と伝わるのか。今度は私が面接される側に回るかもしれないので、これは自分の問題でもあります。

先に断っておくと、私が座ったのは1社のスタートアップの面接で、応募してきたのは駆け出しのエンジニアが中心でした。PMの面接がどこでもこうだ、とは言えません。

面接に来たのは、PMではなかった

面接で多かったのは、未経験のエンジニアでした。ハローワークからの応募もあって、低いコストで採用していたんです。来るのはフロントエンドのエンジニアばかりで、駆け出しか未経験の人がほとんどでした。

協力会社をまとめた経験のある人は、一人も来ませんでした。

なので、協力会社の管理の経験を面接で確かめたことは、私には一度もありません。

私が見ていたのは、肩書きや経歴より手前の「この人と一緒に働けるか」のほうでした。

経歴書を読んで「会いたい」と思った人は、いなかった

職務経歴書には目を通していました。ただ、スタートアップだったこともあり、書類であまり選り好みはしていません。

正直に言うと、経歴書を読んで「この人に会いたい」と思った人はいませんでした。

書類で絞り込むより、とりあえず会って話してみる。決めていたのは、面談の場でした。

職務経歴書に案件の規模をどう書くかで悩んでいる方は多いと思います。ただ、面接官だった私の判断が決まっていたのは、書類のあとの会話のほうだったんですよね。

技術より先に見ていたこと

いちばん最初に見ていたのは、コミュニケーションです。話がちゃんと通じるかどうか。

その次が、自分から動ける人かどうか。スタートアップなので、指示待ちの人がいると、PMや上司が本当に大変なんですよね。

普段の案件でも、後輩に指摘を伝えるだけでは明後日の方向へ修正が進み、込み入った修正は結局自分の手でやることになっていました。

技術は、そこまで重視していませんでした。今はAIもあるので、というのが理由です。

ただ、技術の話についていけるかどうかは見ていました。

顧客とのやりとりの窓口だけをやりたい、という人が来たことがあります。でも実際には開発もしてもらう必要があったし、少なくとも技術の会話についていける人が要った。スタートアップなので、特定の分野だけをやりたい人は難しかったんです。それで採用しませんでした。

技術は重視しないけど、技術の会話にはついてきてほしい。矛盾して聞こえるかもしれません。でも私の中では、どちらもスタートアップで一緒に働けるかどうかの話だったんだと思います。

面接でよく聞いていたのは、「この仕事が好きかどうか」「どうしてうちの会社だったのか」「何をやりたいか」の3つです。技術の細かい質問より、この3つの答え方のほうに、その人が出ていた気がします。

「職業訓練でリーダーをしていた」と話した人

面談で、職業訓練でチームリーダーをして、引っ張っていたと話してくれた人がいました。

その話も聞いたうえで、採用しました。

ところが入社してからは、指示待ちでした。

このとき思ったのは、面談だけで分かることは本当に少ない、ということです。見えるのは、人柄と、本人が話す実績くらいしかないのかなと。

「リーダーをしていた」という言葉は、聞いたその場では確かめようがありません。その人がどう動く人なのかを私が知ったのは、入社してからでした。

面接官の側にいても、見抜けるのはそのくらいです。

では、面接される側に回ったら何を話せるか

ここで「でも自分は小さい案件しかやっていない」と思う方もいると思います。私が持ってきた案件も、300万円の Web アプリから5,000万円のシステムまでで、チームは多くて10人です。

ただ、面接官だった私が見ていたのは、案件の大きさではありませんでした。話が通じるか、自分から動く人か、です。

そして肩書きの言葉だけでは、私は見抜けませんでした。だとすると、面接される側が話せるのは肩書きより、案件の中で何が起きて、そのとき自分が何をしたか、なのかなと思います。

たとえば、500万円・4か月くらいの社内向けEMSの案件。社内2人と、顧客側のエンジニア2人のチームでした。顧客側の2人は開発の経験が浅かったので、一緒に開発しながら引き継ぎをしています。

ほかの業務と並行で、慢性的に忙しい案件でした。いちばん忙しかったのは要件定義で、キックオフから2週間で形にする必要があった。

「PMをしていました」と言うより、この中身のほうが、どう動く人なのかを伝えられる気がします。

5,000万円の案件では、別の人がした提案が実際のシステムや運用と合っておらず、顧客との落としどころを説明資料にまとめて合意を取るところから始めました。これも規模の大きさより、「何が起きて、自分が何をしたか」のほうが話になると思います。

もう1つ、面接官だった側から思うのは、得意な持ち場だけを話さないほうがいい、ということです。顧客の窓口だけをやりたい人を、私は採りませんでした。PMとして面接されるなら、顧客との調整の話だけでなく、技術の話にどこまでついていけるかも、自分の案件で答えられるのがいいのかな。

では、この経験で、今の年収600万円は市場で見てどうなのか。

次は、私が座る側を変える番

面接官だったころ、私は「指示待ちかどうか」を見ていて、それでも一度は見誤りました。だから、面接官は何でも見抜いてくる、とは思っていません。

そう考えると、面接される側にできることは、思ったより単純なのかもしれません。肩書きではなく、自分の案件で起きたことと、そのとき自分が何をしたかを話す。

私もこれから、転職エージェントの面談を受けてみるつもりです。ほぼリモートで働けている今の形が転職後も続くのか、共働きで子どもの送り迎えがある身としてはそこが一番気になります。自分が抜けたあと今の職場が回るのか、という心配もあります。

わりとコミュニケーションは取れるほうなので、どこでもやっていける自信はあります。あとは、面接官だったころに知りたかったことを、今度は自分の言葉で話せるかどうかですかね。